猫ちゃんの歯の吸収病巣
今回は猫ちゃんの飼い主に知っていただきたいお口の病気、
歯の吸収病巣
について書きたいと思います。
猫ちゃんに比較的一般的にみられる歯の吸収病巣は、発症率が3〜7割であるとされています。
わんちゃんではまれな病気です。
この吸収病巣は、破歯細胞というものが歯のエナメル質・象牙質を吸収することにより起きてしまいます。
以前は猫ちゃんの虫歯(う蝕)と考えられていましたが、残念ながら原因はよく分かっておらず、お薬などで発症や進行を抑えることはできません。
歯が吸収されることで、やがて歯冠(歯の見えている部分)が脱落し、最終的に歯根部分(顎に埋まっている歯)もなくなってしまう病気です。
黄色い◯の部分が猫ちゃんの吸収病巣です。
歯自体が周りの歯茎のように赤くなっているのが特徴です。
X線検査では、歯の構造が不明瞭で、なんとなくスカスカしているのがわかります。
飲み薬や塗り薬などによる内科的な治療法がなく、症状がなければ経過観察で良いことも多いですが、
・ご飯が食べずらそう
・歯磨きを嫌がる
などの痛みの症状がある場合は、外科的な処置が必要になります。
外科的な処置の方法
・吸収病巣が歯の根っこ(歯根)まで及んでない場合
→基本的には抜歯が推奨されます
・吸収病巣が歯根まで及んでいる場合
→抜歯が難しいことが多いため、歯冠(歯の見えている部分)の切除が適用となります
普段は猫ちゃんのお口をみる機会は少ないという方も多いかもしれませんが、
・歯が赤くなっている!
・吸収病巣かも?
と思われたら、当院まで一度ご相談ください。
さいたま市南区(武蔵浦和・浦和・南浦和・戸田)
武蔵浦和どうぶつ病院