わんちゃんの飼い主にオススメ!本のご紹介!
最近読んだオススメの本をご紹介したいと思います。
著者の村田香織先生は、日本でも数少ない獣医行動診療科認定医を取得され、
獣医学と動物行動学に専門的な知識と経験を持ち、人とペットがともに幸せに暮らす手助けをしています。
獣医である私も、これまで色々なセミナーを受け、わんちゃん・猫ちゃんの行動学は勉強しているつもりです。
そして日々の診療で、わんちゃん・猫ちゃんの困った行動に対して、ご質問を受けることも多いです。
しかし正直なことを言ってしまうと、わんちゃん・猫ちゃんの問題行動を治すのは非常に難しいです…
その理由としては、
・人とペットの生活様式の多様化
・本来備わっている犬や猫の習性を飼い主が理解していない
・人と同じ視点でペットのことを考えている
・身体の不調から問題行動を起こしていることがある
など原因が多岐にわたるからです。
また『問題行動』という言葉を使っていますが、人にとっては『困った問題のある行動』ですが、
動物の視点からすると、それらの行動には必ずは何らかの理由があり、結果としてその行動を取っています。
人を含む全ての動物は、過去の経験に基づいて行動を起こします。
少しわかりずらいと思うので具体例を…
『自宅のわんちゃんが爪を切らせてくれず、爪を切ろうと足先を触ると、うなって噛みついてくる』
こういった悩みを持っている方は非常に多く、よくご相談を受けることがあります。
この問題を解決する上で重要なことは、
①そもそもわんちゃんは足先を触られるのが好きではないことを理解する
わんちゃんの足先には神経が密集しているため、基本的には足先を触られることが苦手です。
②何で足先を触ると噛んでくるのかを理解する
多くの場合は、過去に無理やり爪を切ろうとしたり、足を拭こうとしたりしたことが原因となっています。
〜わんちゃんの思考・頭の中〜
『足を触られたり、爪を切られるのは苦手だし、何で爪を切るのか分からない…無理に抑えられた。』
↓
『爪を切られること=嫌なこと、怖いこと』
↓
『うなって、噛みついたら爪を切るのをやめてくれた!』
↓
『噛めば嫌なことをされない!』
つまり厳しい言い方になってしまうかもしれませんが、
このわんちゃんが爪切りを苦手になってしまった原因は飼い主にあります。
わんちゃんは危険を回避するために『噛む』という行動を選択しているのです。
人で例えると、
テストで悪い点数を取った→親に怒られた→勉強が嫌いになった
みたいな感じでしょうか?
この問題を解決するためには、まずはわんちゃんに
『足を触られたり、爪を切るのは怖くない!』
と覚えてもらうこと、学習してもらうことです。
まず足先を一瞬だけ触って、『おりこう』と褒めながら、1番好きなおやつをあげます。
コツはわんちゃんが嫌だなと思う前に触るのをやめ、すぐにおやつをあげることです。
これを普段から毎日繰り返していき、徐々に足を触る時間を増やしていきます。
慣れてきたら1本だけ爪を切ってみます。
わんちゃんが嫌がらなければ、次の日にもう1本、また次の日にもう1本と爪を切っていきます。
そうすることにより、
『足を触られること、爪を切ること=おやつをもらえる、褒めてくれる』
⇩
『足を触られること、爪を切ること=怖くない、楽しいこと』
というようになってくるはずです。
ながながと文章を綴ってしまいましたが、
村田先生の本には他にも、
・トイレの失敗
・吠え癖
など、わんちゃんのよくある悩みの原因と解決策が書かれています。
わんちゃんを飼っている全ての方に読んでもらいたい一冊となっております。
ぜひ一度手に取っていただきたいですと思います。
ご希望の方は、本をお貸しもいたしますので、その際はご遠慮なくおっしゃってください。
さいたま市南区(浦和、南浦和、戸田) 武蔵浦和どうぶつ病院