武蔵浦和どうぶつ病院ブログ BLOG

わんちゃんの膀胱結石

※手術の写真が含まれております。苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

先日わんちゃんの膀胱結石の摘出手術を行いました。

実はこのわんちゃんは、最初は呼吸促拍状態で来院されました…

検査の結果、僧帽弁閉鎖不全症(心不全)による心原性肺水腫であることがわかりました。また、画像検査で膀胱内に多量の結石も認められました。

矢印の白いモコモコしたものが、膀胱内の結石です。
膀胱内を多量の結石が占拠しているのがわかります。
当院を受診する前から、血尿・頻尿などの症状が続いていたようです。

心原性肺水腫は緊急治療が必要で、そのまま入院となりましたが、酸素や利尿剤、強心剤の投与により、無事退院することができました❗️

退院後も、強心剤の内服薬だけで心臓病のコントロールができていたため、麻酔のリスクはありますが、膀胱結石の摘出手術を実施することになりました。

手術では、膀胱を切開して直接結石を摘出していきます。

心臓が悪い子の麻酔は、より慎重に行う必要がありますが、手術中も大きな問題なく、結石の取り残しがないことを確認して、無事手術終了となりました❗️

手術後のレントゲン写真

摘出した結石です。

これ全て、5kgもないトイプードルのわんちゃんの膀胱内にあった結石です。
(神社で拾ってきた石ではないです…)

結石を分析検査に出したところ、
リン酸アンモニウムマグネシウム(ストルバイト)が99%であることがわかりました。
ストルバイト結石は、体質や普段の食事、細菌性膀胱炎が原因となり発生してしまいます。

現在は頻尿・血尿は落ち着いており、定期的に尿検査をしながら、療法食を用いて再発がないよう内科管理を行っています。
(療法食は、心臓の負担にならないよう、Na含有量がそれほど多くないヒルズのc/dを選択しました。)
しばらく良好に維持できていれば、療法食をやめることも可能です。

今回のような頻尿や血尿などの症状があれば、早めに病院を受診してください。
また、動物は膀胱内に結石があっても症状が乏しいことも多いため、普段から健康診断の一環として尿検査やエコー検査を行うことも大切です❗️
早期に治療介入できれば、多くの場合で手術を回避することができます。

さいたま市南区 武蔵浦和どうぶつ病院

TEL 048-626-6526 ※当院は予約制です
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